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ゆっくりと落ちてしまった恋「センセイの鞄」 川上弘美

主人公のツキコさんはもう若くはない独身OL。一人でも寂しくないと思っていた。
一人で居酒屋で飲んでいるんだからうらやましい生き方でもある。
ところが行きつけの居酒屋で高校時代のセンセイと再開し、ゆっくりゆっくり恋に落ちる。

30歳以上の歳の開き。ストーリーだけを聞いたら「自分には関係のない話」だけれど、ツキコさんの一 人語りでつづられるあわあわと、恋に落ちるさまがとても好ましい。
ああ、恋に落ちてしまったんだろ うな、そこにはもう少し早く出会っていればとか、もっと若ければ、などという条件は意味を持たない 。だって落ちてしまったんだもの。

恋愛小説はほとんど読んだことがないので、もっと泣いたり焦ったりするジャンルだと思っていたけれ ど、この作品は私の想像以上に笑った。センセイの一言一言やツキコさんのものの考え方がユーモラス なのだ。
ツキコさんがセンセイに告白し、センセイは自分から旅行に誘っておきながら、部屋は別。夜 中にツキコさんがセンセイどうしているかしらと部屋の前まで行き悶々としていると「ツキコさんおは いりなさい」と。ツキコさんがうれしいような信じられないような思いで入ると、センセイは俳句を作 っていて、ツキコさんに「さあ、いっしょにつくりましょう」ツキコさんは夜中の2時になぜか俳句をひ ねることに。
 ツキコさんもセンセイも恋をしているんだけれど、それこそ若者のようなガツガツしたところが無く て、こういうのもいいなぁと思わせてくれる。いくつになっても恋に落ちる可能性はあるということだ。

センセイの鞄
川上 弘美著

(・e・)

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投稿: 社長 | 2006.09.29 13:59

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